スティーブン・ホーキング博士 から学ぶ 筋萎縮性側索硬化症 ALS 病気や障がいへの考え方とは

スティーブン・ホーキング博士を知ったのは小学生の頃でした。その頃から勝手な親近感を覚えていました。
なぜなら祖母がホーキング博士と同じ病気のALSだったためです。
ALSは、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)といい、漢字の通り、筋肉が萎縮して筋力が衰えていく病気です。
考えたりすることができているのに、動かしたくても体が思うように動かせません。
ホーキング博士は、余命2年と言われた後30年以上も生きていることを聞き、どうしたら長生きできるのか、電動車椅子でそんなに動いたりできるものか、とても不思議でした。
当時はインターネットも普及してなかったので、本を読んだり、大人に聞いたりしました。
そこからわかったのは、余命とは聞いたお医者様の予見であって、本当にそうなるかは誰も決められない、ということ。
生きることを諦めず、命が灯り続けたケースもありました。
病気と闘う、という言葉がありますが、ホーキング博士は、病気は闘わなくてもいい、共に生きていけることを見せてくれているようでした。
もちろん、人それぞれ、当事者やそのご家族の病気に対する思いは様々です。
私の祖母に、家族が介護にほとんどの時間を費やしていました。身体も疲れていたと思いますが、私の母もいつも明るく振舞ってくれていました。
きっと隠していた感情もあるし、やるせない思いもたくさんあったのです。
今考えると、とんでもなくすごいことで、子育てと介護と毎日の忙しさに、嘆く暇もなかったのでしょう。
しかし、真っ只中にいてどうしようもない中におられる方もいらっしゃると思います。
そのような方々にもどうか、暗い道にもどこかで火が灯りますよう祈り、願います。
様々な状況にあっても、深刻にならず真剣にユーモアをもって生きてきたホーキンス博士の姿は、世界中の人を魅了し、心に残っています。
▷スティーブン・ホーキング
Stephen William Hawking
(1942.4.1 – 2018.3.18)
イギリスの理論物理学者。大英帝国勲章受勲、FRS、FRA。一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させ、1963年にブラックホールの特異点定理を発表し世界的に名を知られた。